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7月に読みたい「韓国文学・エッセイ」3冊【GQ読書案内】

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7月に読みたい「韓国文学・エッセイ」3冊【GQ読書案内】
Article
https://www.gqjapan.jp/culture/article/20210713-gq-books-guide-july
Journal
GQ JAPAN
Issued Date
July 13, 2021
Page
-
Language
Japanese(日本語)
Country
JAPAN
City
-
Book
-
Writer
Cho Nam-ju , Kim Hana , Hwang Seonu , Kim Gina

About the Author

Writer default image
  • Cho Nam-ju
  • Birth : 1978 ~ -
  • Occupation : Novelist
  • First Name : Nam-ju
  • Family Name : Cho
  • Korean Name : 조남주
  • ISNI : 0000000460558831
  • Works : 70
Descriptions - 1 Languages
  • Japanese(日本語)

この数年で韓国文学・韓国エッセイの人気はすっかり定着し、毎月のように現地の話題作が翻訳・刊行されています。今月は、比較的新しいものから3冊をご紹介します。 ベストセラー作家の最新作 韓国でも日本でも大ベストセラーとなった『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者、チョ・ナムジュさんの最新長編小説『サハマンション』の邦訳が、先月刊行された。 今回の舞台は「タウン」という「世界でいちばん小さくいちばん異常な」都市国家にある、住民権も在留権も持たない最下層の人々(=サハ)が住む「サハマンション」だ。密入国者や老人、女性、子供、性少数者、障害者といったマイノリティたちが、ディストピアの底辺で助け合いながら、強固で不条理な社会に抵抗し生きていくさまが描かれる。 30年前に起きた民衆による革命「蝶々暴動」の結末や、謎の新型呼吸器感染症の流行など、物語の中の事件の描写はなんだかリアルで、読んでいて心がざわついてくる。物語の不穏さに、最初は恐る恐る読み進めていたが、徐々にスピードを増す展開にハラハラしながら、最後は一気に読み終えた。こんな作品も書けるんだ、と、著者の魅力をさらに感じることができる1冊だった。 「サハマンション」は想像のつかないディストピアではなく、すでにこの世界のどこか、もしかすると意外と近くに存在するのではないか、と思えてならない。

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