一九四五年の解放直前の済州島。島の中央にそびえる漢拏山の西北にある海岸沿いの村の、裕福な家の末息子だった七歳のセチョル。子どもたちの日々の暮らしにも植民地支配と戦争が暗い影を落としていた。そして解放。その喜びも束の間、セチョルの前に現れたのは、四・三事件など惨酷な事件が相つぐ狂乱の時代だった。植民地時代から朝鮮戦争にいたる激動の時代を、透徹した眼差しで描き出した玄吉彦(一九四〇~)...

Ce roman noir, qui a pour cadre un pan méconnu de l’histoire de la Corée, montre le revers de l’industrialisation forcenée poursuivie par le régime autoritaire des années 80. On assiste à la descente...