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  • Book
  • Japanese(日本語)

중앙역

  • Author
  • Country
    Republic of Korea
  • Publisher
  • Published Year
    2014
  • Genre
    Literature - Korean literature - Contemporary fiction

Title/Author/Genre

  •  

    Title: 中央駅

    Author: キム・ヘジン

    Genre: 現代文学/長編小説

     

    LTI Korea staff: 李善行(イ・ソネン)soyi@klti.or.kr / +82-2-6919-7743

Description

  • About the book

    ホームレスとなった一人の男。悪臭や騒音に充ちた路上での暮らしは、繊細な男にとって、あまりに耐えがたい。また、一日中何もせず、ただ時間をつぶして過ごすこととの闘いでもある。誰もがうらやむ若さでさえ持てあましている。そんな絶望の時間の中に生きる男に、ある晩、年上の病に苦しむ女が近づく。女はネズミが怖い、離れていると寒いと言って、男の傍に横になるが、夜中のうちに、男のただ一つ財産であるカバンを盗む。男は怒ってカバンを探し回るが、実際に求めているのは、カバンではなく、女の温もりであることに気づく。やがて愛し合うようになる二人。しかし、彼らに許された二人だけの空間などなく、未来や希望も見えない……。ホームレスになった若い男の視線で語られる『中央駅』。落ちるところまで落ちても、人間であることをやめられない自尊心と悲しみ、そして極限の愛を描いた作品だ。

    この小説は全ての文章が現在形であり、もっぱら現在にのみ関心が置かれている。読者はこの青年がどうしてホームレスに転落したのか、どうやってこの駅に流れ着いたのか、以前はどこで何をしていたのか、家族や友人はいないのかなど、彼の過去に関する情報は一切ない。一般的な小説でよく使われる隠れたエピソードやトラウマは完全になりを潜めている。
    現在のみを生きている主人公にとって、自分の肉体で受け止める感覚や感情よりも重要なものはない。読者は彼の身体を通して、路上で生活するということについて、路上で人を愛するということについて、リアルに知覚する。主人公の「俺」は、この小説の中で起こる出来事について、適切な解説をしたり、意味を見出せるような知的な語り手ではない。だが、そんな彼にも、自身の感覚と感情を通して得る最小限の気づきがある。そして、それは金言を残そうと夢見るどんな解説者の文章よりも強烈である。この作品の美しさもまさにここにある。
    この小説の現在形のリアリズムは、ギリシア悲劇のような悲壮な美しさもまた生み出している。「俺」は、常に現在の感情と感覚に基づき、今ここでできる最善の選択をする。にもかかわらず、状況はますます最悪へと向かって突き進んでゆく。英雄や王など卓越した人物の没落でなく、すでに没落しきった人間の没落さえもが十分に美しい悲劇になり得るのだ。病気の女は言う。「ここが一番底辺だと思ってるでしょ。違うよ。底辺なんて存在しない。底辺まできたと思った瞬間、もっと下に落ちてゆくんだよ」と。

    About the author

    キム・ヘジン 1983年、大邱生まれ。2012年に短編小説「チキンラン」が東亜日報新春文芸に選ばれ文壇デビュー。2013年に「中央駅」で第5回中央長編文学賞を受賞。

    About the translators

    生田美保(いくた・みほ)1977年、栃木県生まれ。東京女子大学現代文化学部、韓国放送通信大学国語国文学科卒。『韓国・朝鮮の知を読む』(2014年、クオン)の翻訳に一部参加。単独の訳書に『野良猫姫』(2014年、クオン)がある。2003年より韓国在住。

    Media Response/Awards Received

    「沈黙と余白でつむいだ文章の間から、生に対する実感が込み上げる。緊張で息を呑むシーンはないのに、はっとさせられる。過去も思い出も、ましてや未来もなしに、男女が愛を交わす。そんな愛が可能なのか。不毛の地になんの背景ももたない素男女を放ち、その行く末を追うのは、愛の可能性に対する探究である。現在形の直線的な文章で断崖絶壁に追い詰めては平地に連れ戻す、この文体の力は、永きにわたり韓国文学の財産になるであろう。そして、読者はこのずしりとした感動の末に、各自、心の中の中央駅にこんな文章を刻むことになるだろう。「愛は現在形でのみ記憶するものである。」 - 第5回「中央長編文学賞」審査評
    「愛の本質を探究しつつも、限界に達した資本主義の影と社会の問題を見逃さない若い作家の洞察……作品に深みを与えるまっすぐで流麗な文章」 - 中央日報
     

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